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白田の情報法研究報告

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* はじめに *

何をしているのか、よくわからないといわれたりする私の研究について、広く皆さんに知って頂くために、研究している内容をリアルタイムに提供することを目的としてここを開設しました。でも、最近は単なる近況報告みたいに...

このサイトのミラーとしてhttp://www.welcom.ne.jp/hideaki/hideaki/indexj.htmを準備しました。
講義要項、講義資料、履修登録等など、講義に関することについては、下の小さなバナーをクリックしてください。

Shirata's Class

葉月。いやあ、暑いですね。暑い、暑い... ということで8月の頭に避暑に行ってまいりました。場所は例年の小淵沢。宿も例年の宿。小淵沢は快適でしたよ。毎年行って6年目くらいかな。淡々とした自然が趣深かった小淵沢でも、だんだん下品な開発が進んできて、どんどん松林が切り開かれてる。不動産屋さんは別荘地を売りたくて、それを買いたい人がいるのはわかるんだけど、そのうち林がなくなったら、小淵沢はたんなる住宅地になっちゃうよ。売るほうも、買うほうもそれでいいのかな。それでいいってんだったら、そんなことしている人たちの趣味の悪さと頭の程度に絶望してしまう。

さて、小淵沢で遊んでいたわけでなく、激しく仕事をしていたわけです。記事とか論文とか書いたし、本も4、5冊は読んだ。で、7月の末に山形さんから送ってもらってた、レッシグ 『Free Culture』をようやく読み終えたわけです。...前二作に比較して字がおっきいね... 誤植/誤変換が多いねぇ... 内容的にもあまり目新しくない... けど! 買え! そして読め! 『CODE』『コモンズ』を買ったものの読んだフリをしている人や、それらの本を買う気力もなかった人にオススメ。

で、もうレッシグ先生は、澄ました「学者」という枠からハミでて、熱く語る! 我々の文化の未来を! 今、動かなければ恐ろしい抑圧の時代がくることを! かなり、メッセージ色の強い本です。でもね、レッシグ先生がここまで書かなければならないほど、事態は悪化してるんですよ。乱開発される森のようにね。で、それでいいってんだったら、そんなこと言う人たちの倫理観のなさと頭の悪さに絶望してしまう。

Free Culture

Free Annotation
で、「勝手につける『コモンズ』への解説」が前回好評だったので、またやるつもりです。もう、『Free Culture』にはマークやら付箋紙がいっぱいついてるけど、まだ着手してない。だけどバナーだけは作った。趣味ですから(笑)。で、私を出し抜いて「もっと早く、もっとわかりやすく、もっと格調高い解説を書いてやる!」と考える若い人がいたら、サッサとやって公開して。そしたら私がやらなくて済むので。

と、書きましたが、やっぱり自分でやりました。8月22日の公開です。ご意見、感想、批判、罵倒 よせていただけるとうれしいです。

The Historical Development of Copyright さて、『Free Culture』には、昔々のイギリスの著作権制度の話や、アメリカ最初の著作権法の話がでてくる。また、そもそも著作権ってのが財産権なのか? ウソなんじゃないか? 私たちはダマされてるんじゃないか? そもそも財産権ってなんだ? みたいな議論がでてくる。 同書の内容を理解するためには、「著作権=財産権 or 所有権」という思い込みを相対化しなければだめ。 そのために好適な副読本があるよ(笑)。私の書いた本 『コピーライトの史的展開』 ... あれ? アマゾンで調べたら値上がりしてるぞ。あ、消費税が内税にね... はやく絶版にしてもらえると、タダでばらまけるんだが。

あと、今年の後半に出る予定らしいんだが(もう出たのかな?)、「岩波応用倫理学講座」の第7巻 に、『「知的所有」について』という、私が昨年たいへん苦労して書いた「知的財産権 or 知的所有権ってな概念がどういうものか」 についての論考というかエッセーが掲載される。これまたタダでばらまきたい気持ちがいっぱいなんだけど、原稿料をもらった手前、ばらまけない。レッシグ先生クラスに偉くなると、書籍バージョンと同時に、電子本バージョンをFREEでばらまくなんていう実は売上が伸びるらしいし、読者にもありがたいマーケティング戦略が取れるんだけどなぁ。

まあ、イギリスに関連する部分だけの記述でいいなら、オンラインで学術雑誌掲載分の『コピーライトの史的展開』の全文が読める。本が買えないほど貧乏な学生さんには、こっちを勧めておきます。

紹介が遅くなってしまったんだけど、名和小太郎 『ディジタル著作権』も併せてお勧めしたい。おいおい、アマゾンで「ディジタル著作権」で引いたら、「萌える法律読本 ディジタル時代の法律篇」が先に出てくるじゃないか。ダメだなぁ。茶会の関係者が記事を書いてたりして... まあいいや。

で、名和先生の本は、いかに現行著作権制度が情報時代とズレてしまってるかということを、論理的に説明してくれている。レッシグ先生の問題意識は、とても保守的な憲法観を基礎として、アメリカの伝統的価値観や常識と 現在の著作権制度がズレているという指摘を中心にする。だから、「レッシグの議論はアレでしょ、ホラ、アメリカ独特の法理論からでているタワごとですから、日本の著作権法には影響しないんですよ... 国際条約もありますしな! ワハハハ!」 というようなかわし方ができてしまう。しかし、名和先生の本は、なぜ情報社会と著作権制度が不整合を起こしているのかを淡々と説明していく。もともと名和先生は工学博士だし。この淡々と結論まですすむところが実は凄みがあるわけ。

ちなみに、レッシグ先生の議論は、ものすごーく伝統的かつ保守的考え方なんだが、なぜだかアメリカ国内で先生はサヨク側の人にされてしまってるみたいだ。アメリカでも日本と同様に左右のネジレが起きてるんだなぁ、と思った。

あと、林 紘一郎 『著作権の法と経済学』も実にナイスらしい、という話をきいてはいるけど、まだ読んでないんで(申しわけないです...)、読んでから本格的に紹介したいと思います...

Digital Copyright

Mimic Culture で、これまたずいぶん前に出た本なんですが、山田奨治 『模倣と創造のダイナミズム』と、その前にでた 山田奨治 『日本文化の模倣と創造―オリジナリティとは何か』 を副読本に推薦しておきたい。

ある作品について「100%自分のものだ。俺のもんだ。だから勝手に使うな。金よこせ。」という恥ずかしいことを平気でやるタイプの人がいたりする。しかも、自分で作品を形にしたならまだしも、 自分は何にもしてないのに法律の効果で権利を取得した人にこのタイプが多い で、そういう人たちのいう「俺のもの」「オリジナリティ」について相対化して考えるときに、山田先生の研究はとてもスバらしい。真似するたびに金を払わせられる社会が、どういう恐ろしい結果を生むかについては、レッシグ先生の本を読めばすぐわかる。

というわけで、『Free Culture』を読むときの副読本としてお勧めのものを紹介しておきました。... だから、夏休みに『Free Culture』くらい読めよな。バイトとナンパとサークルで夏を終わるようなヤツは地獄へ落ちろ! とか書くといけないんでしょうな。昨今。

あと、ロージナ茶会が誇るインテリのM君が、それまでクローズドにしていた彼自身のサイトを公開した。彼はシステム系の民間企業に就職してしまったが、彼ほどの才能を放っておくのはもったいないので、しかるべき人がしかるべきポストを与えてあげてください。私が人事権のような大それた権力をもつようになるまで、あとざっと20-30年はかかると思うので。

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* 注意 *

ここに掲載されている文書の内容は「無保証」 です。従って、ここに掲載されている文書は「見本」であると御理解ください。また、御意見・御批判は歓迎しますが、それらは必ず「完全版」について行って下さい。完全版はポストスクリプトファイルDVIファイル、またはPDFファイルで提供します。ポストスクリプトやDVIファイルが必要な方は私にお手紙ください。個別にファイルをさし上げます。

エキスパンドブックやPDF等の電子テキスト一般の読み方についての解説については、 こちらをご覧ください

latex2htmlがうまく使えなかったので、自前のコンバータを作って LaTeXの原稿からHTMLファイルを作成しています。このため、LaTeXで使用される記述法を完全にHTMLに置き代えられていないので、時々、意味不明の記号が残っていたりします。

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* 履歴書
    私の個人情報を公開できる程度に...

* 小論集
    私が過去にfj.*に向けて書いた記事の中で、エッセイとしてのまとまりがあるものを抜粋して掲載することにしました。今後、もし時間が取れれば書き下ろしも増やしていきたいと思っています。

De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第18回] ラジカルな保守という態度について II, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2005年3月15日
    前回につづいて情報時代における大きな枠組みの話。 あと一回やります。 ised@glocom での講演とカブった内容なので、両方を読んでもらいたいな。
情報社会の倫理と設計 / 倫理研第2回議事録, ised@glocom, 2005年1月8日開催 3月12日公開
    東 浩紀さんから「参加してみない?」と誘われた研究会。内輪の私的なものだとばかり思っていたし、東さんも最初はそのつもりだったらしいんだけど、なんだかいつの間にか規模が大きくなってしまって途惑った。引き受けた当初は、六本木で二月に一回楽しく宴会ができるならいいか、と思っていたくらい気楽な話だったから。

    それでもって東京大学で開かれた第1回目の話がムズかしくて、「うわぁ、困ったな」 と思っていたら、第2回目の講演はなんと私。ネタが出なくてウンウン唸った末、チャーリーさんの講演内容を受けて私の考えたことをまとめてみました。そんな感じで、覚悟を決めてデカイ話をブチかましたら、なんだかOKということになったみたい。

    ちょうど第2回の議事録公開の日に第3回の講演があったんだけど、講演者 北田先生の話がまたムズかしい。社会学者というのは、法学者とはまったく日本語の使い方が違うんだなぁ、とつくづく思いました。

知的所有について in 岩波 応用倫理学講義, 第3巻 情報, pp. 85--105, 岩波書店, 2005年3月8日
    ある日突然、といっても2年前の2003年春ころのこと。京都大学の水谷先生から、「ねえねえ、こんどまとめる本に寄稿してくれない?」とメールが届いた。「テーマは何ですか?」たずねたら、「知的財産権がらみ」ということだったので、「簡単かなぁ」とおもって引き受けた。そしたらこれがその年のえらいドツボに。

    5月くらいから締め切り数ヶ月過ぎの12月すぎまで図書館に通い、ホントーにウンウン唸り、それでも書けず、編集の人に「締め切り守れないから、もう勘弁して」と泣きを入れたほど。

    で、「もう論文ではなく随筆でいいですか?」 と開き直って原稿をアゲてしまいました。脚注も参考文献もなーんにも書いてない「オレオレ論文」

    それから年月は流れ、ようやく2005年3月刊行。だれが原稿止めてたのかなぁ(笑)。

* 個人情報とプライバシーII --新しい法益--, 2005年3月5日 東京農工大学 小金井キャンパス, 東京農工大学総合情報メディアセンター 第1回 セミナー 「インターネット時代の情報セキュリティと個人情報保護」
    ある日、東京農工大学の辰己さんから、「セキュリティと個人情報に関して講演しませんか?」と依頼がきた。日取りを聞いたら2005年の3月ということだったので、そのころならすでに原稿執筆が終わってる予定だったから、「はいはい、やりますやります」 と引き受けた。

    ところがぜんぜん原稿が進まず、マズいことになった。さらに、公演内容がキチンと整理されていない段階で「講演の表題を教えてください」という連絡が来て、「うーん、個人情報保護法で新たに設定された権利について検討するかぁ」と思って表題を先に決めた。

    しかーし! 個人情報保護法からなにか具体的な利益が個人に与えられたとはとてもいえないことが判明。個人情報保護法からの論理的帰結として、「抽象的プライバシーの利益」というものがあるんじゃないかなぁ、あるかもねぇ、という話に。スジとしては悪くない話になったのではないかと...

De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第17回] ラジカルな保守という態度について I, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2005年2月1日
    もうだめぽ... 全ての仕事がタイムアウト中。 風邪をひいているので果てしなくネガな気分...
[ちょっとだけ出演] 真紀奈と小倉弁護士のインターネットの気になる法律相談所, Internet Magazine 2005年2月号, pp. 132--135, Impress, 2005年1月
    Internet Magazineがリニューアルということで、真紀奈ちゃんが担当していた連載が終わってしまうことに。で、「最終回なんでお願いしますよ」と依頼されて、真紀奈ちゃんと小倉弁護士の連載にちょっとだけ出演しました。座談会の場所は新宿某所。実際の対談は3時間にわたって、裏話なども交えながら行われたわけですが、それをまとめた真紀奈ちゃんはとっても優秀な人だと思いました。
「網論」との共生関係構築へ --- 公論形成に向けたマスメディアの役割, 新聞研究, 日本新聞協会, 2005年1月号, pp.19--22.
    2004年6月の情報メディア学会での講演内容を受けて、さる方から「新聞研究という雑誌に講演内容を掲載しない?」と依頼がきました。「講演内容のまるっきり焼きなおしでいいんですか?」と訊ねたら「OK」ということだったのでお引き受けしました。とはいえ、もともと字数制限がキツかった情報メディア学会の原稿をさらに削ったので、どんどん文体がキツいかんじに。
De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第16回] プライバシーに関する私論 II, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年12月7日
    何かと忙しいこの頃。原稿書きに苦しんでいる割にはちっとも進みません。結局、クリスマスが過ぎないと雑用が終わらないような気分になってきました。
De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第15回] プライバシーに関する私論 I, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年11月1日
    いよいよ、追い込みの時期にはいったこの頃。茶会のメンバーも修士論文、博士論文に苦しんでいます。私も原稿書きに苦しんでます。

    文中で言及している新保 史生『プライバシーの権利の生成と展開』という本なんですけど、茶会メンバーからの情報によると、どうも絶版に近いような状態らしいです。市場的に なかなか売りにくい本であることは事実ですから、再版しろ!とも言いにくいところがなんとも... でもちゃんとした図書館なら入ってるはずなんで、興味のある方はぜひ一読を。

知的財産権とネット・コミュニティ, 波状言論, 東浩紀個人事務所, 2004年10月15日
    東さんとは、いろんなところでお目にかかってました。で、ある日、「波状言論で対談しませんか?」と依頼されたので、「おっけー♪」と個人事務所まで出かけていきました。そこに「真紀奈17歳」がいるじゃないですか! すげえよ。おまけに東さんの個人事務所には、ムズカシイ哲学書から、SFだのエロ同人誌だの美少女ゲーだのが置いてあって「う...格が違う」と思わせられました。対談は、九州ネタを含みつつ(参加者三人が九州関係)脱線に次ぐ脱線。しかも長時間。おまけに祭りの日と重なったため、事務所の外では お囃子は聞こえるわ、神輿はでてくるわ、なんだかスゴいことになってしまいました。

    あれだけ脱線して「テキトー」に話していたのをテープ起こしした東さんのところのスタッフはスゴくえらいと思う。よくまとまったものです。あと、対談の時に東さんが山のような参考資料をちゃんと読んでらして、しかも付箋紙がついていたのに感動。頭の良い人は努力の人でもあるのを確認しました。

* 個人情報とプライバシー --歴史と原理--, 2004年10月8日 九州大学 春日キャンパス 筑紫ホール, 九州大学システムLSI研究センター 第2回 ワークショップ「情報の効果的利用と個人情報保護 -- ID情報の管理と保護 --」
    ある日、PIDというシステムに関する記事がMLにまわってきた。で、興味があったので福岡に出かけたついでに開発したみなさんに面談したら、技術者の立場からの社会的領域へのアプローチをしている面白い人たちだということがわかった。「社会に受け入れてもらわないと、技術には意味がない」というのはまことにもっともな考え方だと思う。

    で、意気投合して「技術者の人たちにも社会や制度についての興味をもっているひとがいるんですねぇ」「ちょうどGLOCOMでも、文科系の人間が技術の社会的応用について考える研究会をやろうとしてるんですよ」なんて話してたら、「講演しませんか」と依頼された。で、引き受けたのがこれ。

De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第14回] いただいた投稿へのフォロー I, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年9月29日
    すこしは涼しくなったけど、相変わらず湿度が高くて辛い日々を送っております。今回はいただいた投稿へのフォロー。より以前に頂いたものから順番にコメントをつけていこうとしていたわけですが、途中でテーマが揃った感じになったので、ここで一区切り。

    [2004/9/30 追加] 文中で触れている kagami さんからコメントがきてる。いろいろとご教示ありがとうございます。で、私が矛盾しているんじゃないか...とされている点ですが、たぶん私のいう「エリート」とkagamiさんのいう「エリート」の範囲が異なるんじゃないかと思うのです。

    私の言うエリートはかなり広い。それに比較すれば kagamiさんの言うエリートはかなり狭いと思う。政治や法という現実的な場面を想定している私にとっては、「最高の知性と理性」といっても、私なりの世間観から見た高度な層を想定しているわけですが、哲学をとても重視している kagami さんは、もっともっと先端的な層を想定しているのだと思う。

De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第13回] 法と政治の基盤について, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年8月31日
    台風一過の8月末日、毎度お馴染みの「法と慣習」がアップされました。今回はネタが観念的なんであまり面白く読んでもらえないかも。あと、すぐ下の FREE ANNOTATION。公開した時期がよくなかったか、あまりアクセスが増えてません。やっぱり○○○○マン II とか、○○○マン リターンズ とか、○○○○クス リボリューションとか、二番煎じはイマイチなんでしょうねぇ。
FREE ANNOTATION --- いかに私がレッシグの議論をつかって日本の世論をコントロールするか , オンライン・コミュニティへの夏のプレゼント, 2004年8月22日
    7月の末に贈っていただいた『Free Culture』。高原の避暑地に持っていったので、集中できて三日で読むことができました。内容的にも前作に比較して軽かったし。「こりゃ、解説を作らなくてもいいかな」と思ったのですが、まあ前回、『勝手につける...』もやったことだし、これは「様式美」としてやらねばならぬと思って着手しました... が、いろいろとあって一週間くらいかかってしまった。おまけに本文を読んでもらうと書いてあるけど、しなくていいアホな努力をしていたし。

    夏休みの終わりまで一週間。私の今年の夏の自由研究みたいなものとして公開します。皆さんのお役に立てれば幸いです。

[ほんのちょっとコメント] ウィニーを汚したのは誰か in ウィニーは本当に悪なのか, アスキー・ドットPC, アスキー, 2004年9月号, pp. 54--59
    若手の会でお世話になってる石橋さんから、またまたウィニーについての取材依頼がきた。「え゛ー、またか」と思いましたが、石橋さんはいい人なので、引き受けることにしました。で、「写真を撮りたい」とおっしゃいます。これまで何回も「写真をお願いします」といわれたことがあるのですが、取材者のデジカメ・スナップだと、とてつもなく悪い人に写ってしまう危険が高いことを知っていたので、一般誌への写真の掲載はお断りしてました。が、「どうしても」と頼まれるので、「プロカメラマンが撮るならOK」と無茶を言ったら、通りました。すごいよアスキー。ほんとに女性カメラマンがいらしたし。

    一通り取材が終わったあと、なぜだか自宅で石橋さんと加藤さんと宴会になりました。取材も含めて我が家での滞在時間はおそらく4時間ほど。なのにコメントはほんのちょっと。でもまあ、楽しかったから良かった。

[コメント] 2ちゃんねるは言葉遊び /ネットメディアはブログへ in 教授が斬る, 一橋新聞, 一橋大学 新聞部, 2004年7月15日号, p. 3
    またある日、母校一橋の新聞部から取材依頼がきた。後輩たちなんで、「まあ、とりあえず自宅においでよ。」 と取材を受けたら、取材内容は、2ちゃんねるネタだった。記者もたぶん2ちゃんねらー。お互い「オマエモナー」という薄ら笑いでの取材だった。話した内容が(・∀・)イイ!のは、ロージナ茶会の皆様のおかげで、綺麗にまとまってるのは記者の優秀さのおかげ。あれだけ脱線した話を的確にまとめた記者さんは偉いぞ。あと、写真も(・∀・)イイ! ここ10年で一番写りがよいかも。カメラマンさんも偉いぞ。あと、この新聞にはもう一つ茶会メンバーに関する記事が掲載されてた。国立ローカルでいい感じ。
著作権法は、文化を発展させるためのルール in 中学生のための著作権入門, Z Club 3年生用 7月号, pp. 11--13, 増進会出版社, 2004年7月10日
    ある日突然、あの名門受験指導の「Z会」から取材依頼がきた。私はZ会には入ってなかったけど、受験戦争華やかりし頃のZ会のトンガった印象は強烈だった。で、担当の方たちと待ち合わせして いろいろと話を聞いてみると、いま、Z会もずいぶん柔らかいイメージになって、なおかつ、大学受験だけでなく、高校・中学・小学校までカバーしているらしい。で、Z会の会報である「Z Club」の特集に私の著作権法の解説記事が載ることになったわけです。私が掲載された回だけでなく、毎号中学生のレベルとしてはそうとう高度な特集記事が載ってるみたいです。もしかすると、大学生よりも中学生の方が頭が良かったりして...
De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第12回] タコを育てて、ブタを木に登らせる話, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年6月29日
    ここのところ立て続けて公表原稿(のようなもの)のリリースが続いております。予定ではあと二つほどあるんです。なんだか忙しいと思っていたら、こうしてコマゴマとアチコチに書いていたんですねぇ。今回は、「法と慣習」のうち「慣習」だけしか関係しないネタになった。私の知り合いの人たちが粘着君に捕まったり、罵倒されたり、互いにケンカしてたりすることが多かったので書いてみました。

[コメント] 日本の著作権のあり方を考える絶好の機会 in 賛否両論で波紋広がる「Winny事件」の核心, Internet Magazine 2004年8月号, pp. 68--75, 2004年6月27日
    RFIDタグの問題に関する講演会を聞くために東京タワーのふもとに出かけたのは何年前だったっけ? そこで佐々木さんにお目にかかりました。で、ある日、佐々木さんから連絡がありまして、「Winny事件についてのコメントを...」と頼まれたわけです。「え゛ー、またか」と思いましたが、佐々木さんはいい人だということがわかっていたので、引き受けました。

    1時間半ほど話した内容を佐々木さんは1000字ほどにまとめてくださいました。でも、「細かなニュアンスが違うよなぁ」と思いまして、論旨はそのまま、表現に気をつけて書き直したところ2000字になりました(圧縮前のオリジナル版は7月30日頃公開予定)。ところが編集部から「なんとか1000字に詰めて、お願い!」とお願いされて、ムリヤリ圧縮しました。で、やっぱりニュアンスは失われ、今からすると過激で突き放したような記述になってしまいました。ちゃんちゃん。

* 公論を支える媒体およびその担い手について, 2004年6月26日 東京大学山上会館, 情報メディア学会 第3回研究大会
    4月頃のある日、矢野さんから、「シンポのパネラーにならない?」と依頼がきました。私は、文章を書くときには比較的正しい日本語が使えるのですが、口で話すとその育ちの悪さがにじみ出るところがあるので、「いやあ、学会のような場で人前で話すのはちょっと...」と断ろうとしたのです。が、「まあ、こういうのも練習だから」と説得されて、引き受けることにしました。

    これといったポカもなく、数日前に茶会の皆さんから教えてもらった「ぱど厨」のことについても言及できたので、成功だったと思います。

[コメント] Winnyはいわば産業革命。その一端を担っている自覚を! in 今さら人に聞けない「Winny問題」, 週間 SPA! 2004年6月22日, pp. 20--24,
    ある日突然、「週間 SPA!」のライターさんから取材依頼がきた。SPA!は大学院生時代によくコンビニで立ち読みしていた。だいたい25歳くらいの若手サラリーマン向けの一般情報誌、という認識だったので引き受けた。編集部の人もライターの人もとっても真面目で一心に話を聞いてくれたので、「ああ、一般誌の人も知的財産権問題とかに関心を持ってくれるようになったんだなぁ」 と思っておりました。

    で、さすが週刊誌。金曜日に取材されて、火曜日にはもう発売となったわけですが、送られてきた掲載誌をみてビックリ。おいおい、いつからこんなに露出度の高いおネェちゃんの写真やら、キャバクラネタやらを掲載する雑誌になったんですか? いや、いいんですよ。私も好きですから。やっぱりエロがないと雑誌が売れないのもわかるんです。でも、これじゃ田舎の父親に掲載誌を送るのがはばかられる...

De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第11回] 法律の重みについて II, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年5月24日
    「トップページを更新したしと思えど、手打ちタグではメンドクサし、じっと手を見る」
    えー、いまさらBlogへの移行なんてことする気力もない私です。輸入権問題やら、office氏事件やら、47氏事件やら、たぶんまたそれらに類する事件やらが起こって、それでネットには悪いやつらがいるんだぁ、とかなってサイバー犯罪条約に対応した刑法改正がスッキリ通って、それでまた事件が増えて、という連鎖が起きそうな中で、なんだかいろいろと考えなければいけなくて、サバティカルの目的である教科書を書くという仕事が進まないんですが_| ̄|○ 何か?

De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第10回] 法律の重みについて I, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年3月30日
    連載当初の趣旨からの脱線については開き直って、法的な話をする場合の前提知識の紹介を。ほんとはこういう話については一般教養としてみんな知っててほしいことなんですけど、難しいでしょうね。... 逆に、コンピュータやプログラミングに携わる人たちが 一般教養としてみんなに知っててほしいことって何なんだろう? そのあたりも hideaki@hotwired.co.jp に投稿してもらえるとありがたいな。
De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第9回] メンドウな事態とポリシー・ロンダリング, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年3月2日
    前回の続き。なんかだんだんと連載当初の趣旨から方向が脱線しつつありますが、まあ、いいや。「ポリシー・ロンダリング」っていう言葉は、山根さんから聞いた言葉です。あるていど普及させたいな。山根さんは本当に立派で優秀な人なのに、ご苦労されてて... 。応援してます。頑張ってください。
De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第8回] 政治的であることについて, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2004年2月3日
    トップページに記事の告知を書くたびに、「毎回、言い訳やら、愚痴やら、泣き言やら、そういう事を書いてる」と家人から指摘されたので、反省。
    今回は、連載の趣旨からズレてるとは思ったけど、思いついたことがあったので上記のテーマを選びました。で、もう一回あるんです。政治学とかちゃんとやってる人からみたら幼稚な話ばかりだろうと思うけど、よく知らないもので...ごめんね。
コンサイス法律学用語辞典, 三省堂, (項目執筆), 2003年12月
    コンパクトにまとまった総合的な法律学用語辞典の項目の一部を執筆しました。これ、かなり使い勝手が良さそうですよ。お勧めできます。

    この辞典の項目を書くように依頼されたのはおそらく2年前くらい。先行する辞典類や文献を一応あたって、できる限りオリジナリティが出るように工夫した原稿を提出した。でも、限られた紙面にたくさんの項目を載せようとしてるので、「原稿を削ってください」との依頼がたびたび来る。で、削っていくと解説がどんどん骨格だけに近づいていく。すると先行する辞典類の項目との違いがほとんどなくなっていく... なんとも切ない作業でしたねぇ。ようやく完成してなにかホッとしました。

De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第7回] 茶会実況中継, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2003年12月23日
    相変わらず某出版社からの原稿に苦戦しております。12月末日〆切なんですけど、これに何とか間に合うかどうか。あと、いろんな意味での年末進行も作業を遅らせてくれます。今回は、「法と慣習」に投稿してくださった読者の皆さんへのお返事の回。これでとりあえず一年の締めくくり。みなさま良い年をお迎えくださいませ。
De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第6回] 権威と典礼, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2003年10月28日
    相変わらず某出版社からの原稿に呻吟しております。10月末日〆切なんですけど、こりゃ間に合いません。文化祭シーズンが近づいて、少しだけ大学の講義負担が軽くなってるんでこのあたりで何とかしないと本当にマズい。こういうとき、ドラえもんの道具のいくつかを使えばいろいろと助かるのになぁ、と思うわけです。あ、なるほど 藤子F不二雄先生もこんな気分で時間を操作する道具のアイデアを出していたのか。

    この間、「伝播投資通貨PICSY」というものの研究会に参加してみました。このアイデア、単にプログラミングの話ではありません。理科系の人たちからの社会学的問題へのアプローチ。文科系が難解な概念をコネ回しているスキにまったく違う次元で取り組みが始まってます。いつか私からも「勝手につける解説」を書きたいと思います。が、いつになるやら。

De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第5回] 知的財産権制度と封建制について, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2003年9月30日
    さあ! 今度こそ切羽詰まった。締め切り三連発の最後となったHotWiredの連載記事。自分の計画の甘さを恨みながら なんとか書き上げましたが、やっぱり論述の流れが円滑じゃない。本当に連載というのは大変なんだなぁとつくづく思う9月の末。

    週間マンガ誌に連載している漫画家さんって、本当にスゴいんだなぁ、と尊敬の念がますます高まりました。

    [関連文献] 弁護士の牧野二郎さん、ご存知 山形浩生さん、日文研の山田奨治さんが関係した、音楽著作権に関する論考が、UFJ総研から公開されています。とてもよい論文集となっているので、ぜひぜひ読んでみてください。この論文集について、白田は関与しておりません。

    UFJ総合研究所 芸術・文化政策センター, 音楽遺産: インターネット音楽配信の未来 in Arts Policy & Management, No. 20, 2003.

* 情報時代の法について, 2003年9月25日 如水会, 如水経済懇談会にて報告
    ある日、母校のOB会である如水会の事務局から「ランチを食べながらの懇談会で発表しませんか」というお誘いがきた。それは名誉なことだから「ぜひやらせてください!」ということで引き受けました。細かな話よりは大きな話のほうがいろいろと議論のたたき台になるだろうと思って、表題のような でーっかいテーマを設定したわけですが、これが裏目に。

    まず、この回の参加者がえらく少なくなって事務局に心配をかけてしまったみたい。あと、参加者が最高齢で80歳台とか、ほとんどの方が私が生まれる以前に卒業された方とか、そういう構成で、話のブッとび具合に唖然とされた方がいたのではないかと反省しきり。公演内容自体は、私が一年間の講義でやってる内容のエッセンスを一時間にしたもので、そこに、オフレコでしか言えないようなブッとんだ見解を加えたもの。

    「いや、実に面白く興味深い内容だったよ」とおっしゃってくれた大先輩たちに、恐縮至極でした。

「自由のライセンス」の正しい理解 / 第3回 in Internet Magazine 2003年11月号, Impress, 2003年9月27日
    自由のライセンスに関する記事の三回目。これまたものすごく日程的に辛かった。某出版社からの原稿依頼に関連したネタの仕込みをしつつ、この記事を書き、さらにすぐ上に掲げた講演会の準備をし、加えてHotWiredの原稿締め切りに追われていたから。夏休みだからどうにかなる、と多寡をくくっていたのが間違いだった....

    これまた予定字数を大幅に超過した原稿となりまして、元の原稿を編集の安田さんがアレンジしてくれて、なんとか6ページに収めることができたわけです。元の原稿の2/3ほどに圧縮されてしまってます。ほんとは、GFDLとCC以外のライセンスについてもキチンと検討を加えていたんです。

De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第4回] 名誉と自力救済、そして法, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2003年8月26日
    冷夏だ冷夏だと思っていたら、8月23-25日は地獄のような暑さ! 照りつける灼熱の太陽! これが平年並みという話もあるけど、こういう天気が一ヶ月以上続くなかで我々は生活していたのか!と改めて思うほどの暑さ。ああ、冷夏でよかったなぁ、とつくづく思う26日の曇った朝でした。人間って身勝手ですね。
「自由のライセンス」の正しい理解 / 第2回 in Internet Magazine 2003年9月号, Impress, 2003年7月27日
    自由のライセンスに関する記事の二回目。大学の繁忙期である試験期前に〆切がやってくるという日程だったので、ものすっごく大変でした。
    私は、字数を気にせずどんどこ原稿を書いて、後から削って内容を整えていくというスタイルで執筆します。今回の原稿は、内容が内容だけにどんどん長くなって、実際に雑誌に掲載されたのは、元の原稿の3/5ほど。おまけに、ライセンスの一覧表なんか、途中で「できるか!こんなもん!」 と投げ出したほどです。だいたい、スッキリ一覧表になるくらいなら、ライセンスの本文なんて要りません。
    ようやくホッとしたのもつかの間、第三回目がやってくる...

De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第3回] 自力救済と紛争解決, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2003年7月23日
    梅雨が明けないどころか、ますます6月っぽくなり、さっぱり暑くならない異常な夏の今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は、突然ブッ壊れたシステムの回復と、さらなるバックアップ体制の強化と、400通もあることに気が付いて気が遠くなったレポートの採点に追われています。まさに自力救済と紛争解決の日々。
「自由のライセンス」の正しい理解 / 第1回 in Internet Magazine 2003年8月号, Impress, 2003年6月28日
    ほんとは、こんなに記事書きを集中させるつもりは無かったんです。でも、いつのまにか書くことが決まっていて、さりげなく〆切りが来たりして、真っ白なページで出すわけにはいかなかったりして、書きました。というか、まだ続きます。ほんとは一回の予定だったんですけど、一回に収まらなかったんです。でも、二回目はまだ書いていません(2003/6/30 現在)。週間アスキーの物欲番長ことスタパ斎藤さんのイラストで有名な金子ナンペイさんが私のイラストを書いてくださいました。タレ目で、なんだかナヨッとしています。実物もそのとおりなのかもしれません。

De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第2回] 匿名発言について, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2003年6月24日
    懸念どおりというか、あまり事例が集まってきません(泣)。でも、待ちます。きっと、きっと少しずつでもネタを送ってくれる人が増えるんだと信じてます... しかし、連載ってやっぱり心理的圧迫感がありますね。HotWiredはオンライン・マガジンなのでその圧迫感は比較的緩いのですが、これが紙媒体だったりしたら、毎月胃が痛くなりそう。
De Legibus et Consuetudinibus Interreticuli / インターネットの法と慣習 [第1回] そろそろ真面目に「法」について考えよう, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2003年5月20日
    ついに連載を始めてしまいました。はたして原稿を落とさずにちゃんと続けられるのでしょうか。だんだんと忙しくなってきた5月の末になってちょっと心配しておりますです。あと、読者からの反応が無かったりすると、次回以降困ったことに。
[編集協力]:仲俣 暁生 編 未来を考えるための補助線としてのコモンズ in 本とコンピュータ 2003年春号, トランスアート, 2003年3月10日
    またある日、「HotWired Japanの記事を見たんですけど」ということで、「青空文庫」とも縁の深い、「本とコンピュータ」からコモンズ関連での執筆依頼が来ました。ところが、「コモンズ」ネタで書くべきことは、すでに書いてしまっていたわけで、さらにまた何か書くと自分で自分の二番煎じをやることになる。それではまるで私が贋レッシグみたいで気持ちが悪いので、お断りさせていただきました。が、特集記事に関してチェックを入れたり、簡単なコラムを執筆したりさせていただくことになりました。それがこれです。メディアもコンテンツもいいけど、それでわれわれが何を生み出して何を伝えるのかという「文化」の問題についてもちゃんと考えてみましょうよ。

著作物の「自由」な流通を作る新しい政府の出現か? in Internet Magazine 2003年4月号, Impress, 2003年2月28日
    HotWired Japanの記事を見たんですけど」ということで、こんどはインプレスから出ているInternet Magazineの編集の方から記事の依頼がきた。いったんメジャーなメディアに露出すると、いろんなところから依頼というものは来るんだなぁ、と思う。「勝手につける...」で私はタダ働きをしたわけだけど、その経費はこうして少しずつ十分に回収できているような気がする。

    雑誌本体の発行と同時に、私の記事を含む Creative Commons 関連の記事がCCライセンスのもとに公開されてる。こりゃ、なんと太っ腹なことよ!!

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レッシグ教授の「コモンズ」を読む --- 日本社会に投げかける問題, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2003年1月20日
    ある日、HotWired Japan から『コモンズ』に関連した原稿の依頼がきた。そのとき、なぜ私が選ばれたのかを考えてみた。私がネット上で書いてきたものを見て私を選んだなら、私がレッシグ教授の尻馬に乗って「それ見たことか、著作権の拡大はよろしくないのだ、P2Pは大事な次世代技術なのだ」などと書くことを期待していたのかもしれない。確かに、現在の知的財産権制度はそうとうに歪んでいると思う。しかし、ここでそれをいちいちあげつらうつもりはない。問題の根は深いのだから...

    あと、すっごく短い「エルドレッド事件」へのコメントも書きました。

勝手につける『コモンズ』への解説 --- あるいは露骨な我田引水, オンライン・コミュニティへのお年玉, 2003年1月1日
    11月の末に贈っていただいた『コモンズ』。一ヶ月かかってようやく読み終えました。「こりゃ、大学生が理解するのはマズ無理だね」と思ったので、私ができる範囲で解説文をつけてみようと思い立ちまして、3日くらいでなんとかでっち上げたものがこれ。その後、「謝辞」にでてるように他の方からのコメントいただきまして、2003年1月1日に公開しようと思ったわけです。でも、実際には2002年の12月31日に公開したんですけど...

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ネット・ベンチャーにおける法的コスト, 一橋論叢, 128巻4号, 2002年10月
    ある初夏の午後、「商学部の特集号に、e-コマースについての法律学的な視点からの論文を書きなさい」という依頼がきました。「商法についてド素人の私になんで?」「e-コマースについてもほとんど知らないのに...(泣)」と思いました。私が「情報法」なんて講義をしてて、さらに自分のWebページなんか構えていたためでしょうか。しかし、断れない人からの依頼だったので「これって、学部学生さん向けの啓蒙的な内容でいいんですよね?」「ほんとに、ほんとにいいんですよね?」と念を押しながら引き受けました。その結果がこれです。

情報時代における言論・表現の自由, 青空文庫, 2002年10月13日
    2001年には「情報法」の冒頭がゴチャゴチャしていたので、「グリゴリの捕縛」を書きました。で、2002年には「情報法」の前期の後半がゴチャゴチャしていたので、これを執筆。イマイチまとまりのなかった講義を聴いてくれた学生さんに捧げます。某巨大匿名掲示板の是非をめぐって議論が起こったり、裁判になったりするなかで「言論・表現の自由」が取り上げられるんですけど、基本的な理屈とか理由付けを知らないまま語っている人が多いのも、このテーマを選んだ理由です。

    毎年思うのですが、毎年、毎年同じことを話すのって苦痛ですよね。学生さんたちは初めて聴く話でしょうけど、こっちは基本的に同じ話を繰り返しているのです。で、恐ろしいことに以前やっていたことをだんだん忘れていくんですよ。私の記憶力って「トコロテン」みたいなもんなんですな。で、講義の基本的な部分は、こうして文章にしていって講義の時に「読め!」とか言って済ませてしまって、先の議論に進みたいと思ってたりします。

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著作権関連 8項目, 北川 高嗣 他編, 情報学事典, 弘文堂, 2002年6月
    事典の項目執筆。限られた字数に内容を盛り込むのは、あまり好きな作業ではありません。これは、もう何年も前に依頼されて執筆し、そのまま忘れていたころに出版されたもの。項目書いたら一冊くらいもらえるかな?と思っていたら、さすがに18000円もする本はくれないみたい。著者割引の案内だけが送られてきました。

文化不況, 某総合研究所にて2001年10月頃発表, 2002年3月26日公開
    また、以前に書いたものの年度末棚卸し。HDDの片隅から発見しました。某総合研究所の「地域おこし」を手がけるセクションの方に依頼されて、2001年10月ころにごくごく内輪で発表した論文を公開します。現在の消費不況と地域商店街の衰退を情報流通という視点から分析した(つもり)のもの。内輪の会向けなので、参考文献および論証なし。私の個人的体験のみに基づいてます。

サイバー空間の世界観, 朝日新聞夕刊 「ねっとアゴラ」, 2002年3月22日
    朝日新聞夕刊のコラム欄「ねっとアゴラ」に私の短い論説が載りました。この記事は1月初旬に依頼されたもので、執筆は数日で終えていました。しかしながら、最初のバージョンが2000字と長かったことと、「文章が硬い」という問題があり、依頼主である矢野氏との間で何度も文章の練り直しをやりました。そればかりが理由ではないのですが、結果的に3月末まで掛かったわけです。最初のバージョンと掲載されたバージョンは、問題意識では共通していますが内容的には随分違ったものになっています。最初のバージョンは「パラレル・ワールドで語る倫理」として小論集においてあります。

判決文翻訳 Sony Computer Entertainment America. Inc. v. Connectix Corp., 2000 U.S.App. LEXIS 1744., 2002年2月
    [注意!!] この判決文翻訳(だと思われるもの)は、2002年2月末日に私がハードディスクを整理していたときに発見したものです。なにかの研究会の資料として用いるために準備したまま、忘れてしまっていたようです。 したがいまして、翻訳の品質については保証の限りではありません。また引用して用いる事も避けてください。 とはいえ、せっかく書いたものですし、学生さんの参考程度にはなるかと思いまして、公開する事にしました。

* 「包括メディア産業法」への私案, in 21世紀型情報化社会への展望, 国際大学Glocom, 2002年3月
    「情報法」の通信・放送関連制度についてテキストを改訂するため、通信・放送メディアの展開について文献を読んでました。で、郵便(運輸)、鉄道、出版、通信、放送が歴史的・法的にみて同じボトルネックをもっているという事実に気がつきました。通常、そのボトルネックというのは通行地役権(right of way)なんですけど、情報通信分野において、ある条件下では著作権(copyright)も同じ機能を果たすことにも気がつきました。そのあたりについて解説して、どうすれば円滑な情報流通環境が整備できるかを考えてみました。林 紘一郎先生の「包括メディア産業法の構想」も読んでみてください。
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* 私家版・プロバイダ責任法についての解説と考察, オンライン・コミュニティへのお年玉, 2002年1月
    報道によると、2002年4月から施行されるらしい「プロバイダ責任法」に関する私家版逐条解説。商用プロバイダ管理者だけじゃなくて、電子掲示板を運営しているような個人なんかも広く関わる法律です。2. 逐条解説部分は、かなり細かい法律論をやってるので、3. 解釈上の要点だけでも見てほしいです。なお、わかりやすくて気楽に読める「対話形式バージョン」AprilFoolさんが作ってくださいました。力作です。感謝感謝。
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* 山根 信二辰己 丈夫、白田 秀彰 ネットビジネス業者によるプライバシー保護対策を評価する枠組の検討, 2001年6月, マルチメディア、分散、協調とモバイル (DICOMO 2001) シンポジウム 論文集 (報告者 山根 信二)
    3月に発表されたネットビジネス業者の「プライバシー保護対策」評価の提案に続いて、より具体的にセキュリティ格付け機関の形態などについて議論するモノグラフ。

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* グリゴリの捕縛 あるいは 情報時代の憲法について, 青空文庫, 2001年9月 Expand book版 2001年11月 PDF Download
* 辰己 丈夫山根 信二、白田 秀彰 ネットビジネス業者の「プライバシー保護対策」評価の提案, 2001年3月 情報処理学会 第62回全国大会にて報告 (報告者 山根 信二)
    財団法人電気通信普及財団による平成11年度研究調査助成での成果。プライバシー漏洩は完全には防げないということと、プライバシーがいったん漏れた場合には、もはや回収が不可能であることを前提に、個人情報を取り扱う業者に、漏れた場合の補償を行わせることで、プライバシー保護対策を充実させることを狙う。プライバシー保護対策についての格付け機関と保険を導入することを提案。

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* 告知
* 告知
* レイアウト・フォーマット --- 知恵蔵事件, in 別冊ジュリスト 著作権判例百選, 有斐閣, 2001年4月
    法学部の学生なら必ずお世話になる有斐閣の「判例百選シリーズ」。私がここに執筆することになるとは、学部時代には夢にも思いませんでした。担当した事件は、デザイン系の美大の学生さんにも馴染みの深い、レイアウト・フォーマットに関するもの。

* The Origin of Two American Copyright Theories: A Case of the Reception of English Law, The Journal of Arts Management, Law and Society, Vol. 30, No. 3, (Fall 2000, Heldref Publications)
    英語論文がアメリカの専門雑誌に掲載されました。やったー。掲載のきっかけは、インターネットでの公開。編集の Maryとのやり取りもインターネットのおかげでとっても助かりました。

* デジタル/ネットワーク時代・著作権の臨界 (改題), 2000年11月30日 国際大学グローコム デジタル著作権研究会 第1回オープン・フォーラムにて報告
    情報伝達技術とビジネスの形態、著作権制度の関連について歴史的に解説し、デジタル化、ネットワーク化していく情報伝達技術においてどのようなビジネスモデルが最適であるのか、また著作権制度はどのように変わっていくのかを展望したもの。

    これまた、詳細な文献リストや脚注をつける作業ができないので、公開できません。大学をしばらく休んで自分の書いたものの整理をしたいです。

* 情報法の背景, 2000年5月12日 一橋大学 法文化構造論にて報告
    情報機器の一般化に伴って生じている法的問題を表面的に追いかける結果になりがちな「情報法」を批判し、基礎法学・比較法学としての「情報法」の問題設定と目的について考察したもの。2001年度の「情報法」の導入編として使いまわす予定です。

* 著作権の情報流通技術決定論 仮説, 2000年3月18日 国際日本文化研究センターにて報告
    1840年頃に産業規制法としての著作権概念が文化振興法へと転換したことを指摘する発表。文献による論証が不十分なのでまだ公表できません。今年度後半には完成度を上げて雑誌に投稿したいとおもっております。

    [愚痴] どうも、この論文はお蔵入りになりそうです。一つ一つ、文献の該当個所を挙げるような地道な作業に費やす時間が取れないため、内容的には問題なくても公開できないのか悩みです。

    ↑と書きましたが、せっかくやった仕事ですし、学生さんの何らかの参考になるかと思いまして、「脚注ほとんどなし」状態で公開することにしました。もちろん、まともな論文ではありませんから、学術論文への引用はお避け下さい。 むしろ大学院あたりの学生さんが、この論文の内容を引き継いで検証してくれることを希望します。(2002年3月14日)

* 倫理問題, in bit別冊「情報セキュリティ」, 共立出版, 2000年1月
    また、倫理。私に倫理について語る資格があるとは自分でも思えませんが、書かなければならないこともあるのでもう一度。なんでも「倫理」でことを済ませようとする人たちが多すぎます。

    この「倫理問題」の原稿は、下の「コンピュータ・ネットワークにおける自由と倫理」で用いた論文に加筆したものです。重要な部分について加筆したので、ご批判は書籍に掲載されたものに対して行ってください。明大情報科学センター紀要には、私の口述内容が掲載されておりまして、論文は掲載されませんでした。

* もう一つのプライバシーの話 --- 中学生、高校生のためのプライバシー問題へのヒント ---, 青空文庫, 1999年9月
    夏の終わりにある研究会に出席しました。そこではプライバシー問題や情報教育の内容に関するざっくばらんな議論が行われました。その議論をするなかで私が考えたことを文章にまとめてみました。通説を問い直す「もう一つの」シリーズ第二弾です。
    富田さんにお願いして、こんなに立派な本にしていただきました。
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* 求人・求職活動における個人情報保護に関する報告, in インターネット求人・求職情報の現状とその課題, 社団法人 全国求人情報誌協会, 1999年3月
    一昨年から参加していたインターネットにおける求人・求職活動に関する研究会の最終報告書です。結局、中間報告書は部内扱いになり、これが正式バージョンということになりました。

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誰をどのように護るのか --- CDAの目的と効果について, 1999年1月30日, 情報処理学会 電子化知的財産社会基盤研究会にて報告. 情処研報, Vol.99, No.11.
    ある秋の午後、私に「CDA-2」について報告するように、という依頼が来ました。私が最初の「CDA」に言及する論文を書いたことがあったからのようです。だいたいCDA関係の法律は、冬の声が聞こえる頃 成立し、12月前には違憲立法確認訴訟が提起され、年明けの1月か2月には違憲判決がでる、というパターンで進むので、このCDAがらみの論文はいつも正月をまたいで執筆することになります。私にとっては紅白や第九と近い位置づけになりつつあるので、もう「CDA-3」だの「CDA-4」だのというような法律を作らないように、アメリカ議会にお願いしたいところです。

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コンピュータ・ネットワークにおける自由と倫理, 1998年11月21日, 明治大学情報科学センター情報教育研究会にて報告.
    ある夏の日、私に「情報倫理」について話すように、という依頼が来ました。「倫理学者でも哲学者でも、まして倫理について人に話すほどエラくない私になんで?」「だいたい、情報倫理ってなんだ?」と思いましたが、私が「ハッカー倫理」なんて題した論文を書いたことがあったからみたいです。さて、それから「倫理」や「哲学史」の本を色々と読みながらにわか勉強です。結果的には、そのおかげで「面白い」(と皆さんがおっしゃる)講演になったようです。

    明日から、私自身が倫理的にならないといけないような気になるので、倫理の研究はあんまりうれしくないですね:-)。

判例解説 Cubby, Inc. v. CompuServe Inc., 776 F.Supp. 135 (1991), 「アメリカ法」 1998-1, 1998年7月31日
    日米法学会の邦語機関紙「アメリカ法」に判例解説が載りました。依頼があったのは、去年のたしか9月ですから、もう一年前です。依頼時に紹介する判例も指定されたのですが、その時点でCubby事件は、すでにあちこちで紹介されてしまっていた判例でした。事務局に問い合わせてみたら「理事会の決定ですから」ということで、そのまま書く事になりました。脚注(1)に掲げられている先行研究の焼き直しになっていることは否定できません。

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* もう一つの著作権の話 --- 中学生、高校生のための著作権の基礎理論 ---, 青空文庫,1998年7月
    青空文庫には、私の論文がいくつか収録されています。呼びかけ人の一人である富田さんの依頼で「著作権の原理と現代著作権理論」を収録することになったのですが、これは、講演原稿なので必ずしも読みやすい内容ではありませんでした。また、青空文庫の掲示板「みずたまり」には、「著作権の原理」を読んだ中学生の方から、「難しい」という書き込みがされていました。そこで、もう少し整理して、わかりやすく書いた「基礎理論」の本を書くことを約束していたのです。私の最初の単行本が出版された記念に、私は「中学生、高校生向けの基礎理論」の本をエキスパンドブック形式で電子出版することにしました。
    ボイジャーの野口さんのおかげで、こんなに立派な本になりました。
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* コピーライトの史的展開 [知的財産研究叢書2],信山社,1998年7月
    博士論文の内容が本になりました。私の最初の単行本になります。売り物なので全文公開はできませんが、前半の内容は「コピーライトの史的展開」として、学内雑誌に掲載したものを加筆訂正したものです。だから、こちらをご覧になって、買うに価するものかどうかご判断ください。また全体の要旨は、こちらでご覧になれます。また「はしがき」部分のPDFファイルを準備しました。

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* アメリカ著作権理論の起源 -- アメリカにおけるイギリス法継受の一事例 --, 報告用 手許資料, 比較法研究 No. 60 (1999) 128. 1998年6月6日 比較法学会第61回総会 英米法部会.
    京都の同志社大学で行われた比較法学会で発表してきました。内容は博士論文のなかでも「比較法」的観点から面白いと思われた、18世紀末イギリス理論がアメリカに伝播する様子を概説するもの。時間どおりに発表を終えたし、質問にもきちんと答えられたので発表としてはうまくいきました。

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* 求人・求職活動における個人情報保護に関する報告, in インターネット求人・求職情報の現状とその課題 (中間報告書), 社団法人 全国求人情報誌協会, 1998年3月
    じつは昨年からインターネットにおける求人・求職活動に関する研究会に参加していたのです。これはその中間報告書に収録されたもの。就職活動の厳しさはこれから増すばかり。皆様も私も。はぁ...。

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* 著作権の原理と現代著作権理論, 1998年1月31日 比較法史学会関東部会、2月2日 国際大学Glocom にて報告
    いろいろとあって、似たような内容で「研究報告などしなさい」と言われたので、今の自分の思うところをぶちまけた報告。

    [関連文献] 上記の私の論文に関連する論文の紹介。経済産業省の村上敬亮さんがとってもナイスな論文 「オープンソースを巡る著作権論議と知的財産政策への示唆」(特技懇 232号)を書いてくれました。もし、私がしかるべき立場にあればこう書いただろうな、と思わせるほど私の意見とぴったり。とくに前半。(2004/5)

* 英米法系コピーライトに関する歴史的研究, 1997年5月
    表題と目次と要旨だけ公開の私の博士論文。5年間を費したバカ長大論文の結末は原稿用紙約1300枚!! 1998年1月7日についに口述試験をやりまして、どうにか博士号を取得することができました。

要旨
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* 情報テクノロジーの進展と法的課題 in 堀部政男・編著, 情報公開・プライバシーの比較法, 日本評論社, 1996年12月
    情報公開とプライバシーに関心があり、おまけにお金持ちな貴方のために。

* アメリカにおけるインターネットへの司法権力の介入: IAJ News, Internet Association of Japan, Vol.3 No.1, 1996年4月
    エッチがダメになった背景にはどんな事情があるのか知りたい貴方のために。

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* 比喩・概念・法 ---仮想空間を切り分けるもの(1)---: Smart Community, Smart Community 研究会, 1995年11月
    「サイバースペース」とか「スーパーハイウェイ」とかいう言い方の違いのなかになんか意味があるの?という貴方のために。

*アスペン・サミット オンライン ---ネットワーク時代の政府と共同体の役割---: Smart Community, Smart Community 研究会, 1995年10月
    アメリカのネットワーク関係団体ってどんなことをしているの?という貴方のために。

*ハッカー倫理と情報公開・プライバシー:「高度情報化の法体系と社会制度」 科学研究費補助金・重点領域研究報告書, 1995年3月
    ハッカーは犯罪者であると思っている貴方のために。
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*ネットワーク上の名誉毀損と管理者の責任: レポート, 1994年4月

    オンラインで罵倒されたことがある貴方のために。

    [注意!!]このレポートで言及している「ニフティサーブ名誉毀損事件」に関する最初の判決が出たために、にわかにこのレポートへの関心が復活しているようですが、次の点にご注意。

  • このレポートは訴えが提起された1994年当時に書かれたものであること。
  • このレポートは大学院ゼミの論題として書かれたもので、アメリカの名誉毀損に関する法理を機械的に適用してみた「思考実験」であること。
  • 訴訟での被告であるWAKEI氏による批判記事がNIFTY-Serve FSHISO MES4 #3079からのコメントリンク のうち #3102 に掲載されています (2000年9月4日確認)。私の立場は、同コメントリンク #3108 のAnonymous.P 氏の推測するとおりです。

*コピーライトの史的展開
    著作権ってなんだか胡散臭いなと感じている貴方のために。1996年12月をもってイギリス編が完結しました。めでたし。

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*法令用語と判例における「情報」: 「情報の瑕疵がもたらす民事上の責任に関する調査研究」 財団法人 比較法研究センター, 1993年6月

    情報、情報っていうけど、法律の世界ではどんなふうに把握しているの?という疑問を持つ貴方のために。


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* 個人的キャンペーン *

個人的キャンペーンがあまりに多くなってしまった(^^;;ので別ページに移動しました。

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* リンク *

*私のゼミにいた横田君のサイト。P2P技術をとりまくさまざまな事象を追跡しています。彼は文章力もあり、とても粘り強く一心に仕事をするたいへん立派な人。もっと評価されてよい人の一人。

Double Slash

*昔のWebサイトの内容を取り戻したい時に便利! 1997-8年くらいまで溯れます。

WayBack Machine

* 日本の情報法関連のリソースが最も豊富に集められているサイトといえば、明治大学の夏井高人先生のページが代表的なものでしょう。継続的な更新作業に頭が下がります。

* 著作権法に基づく保護期間が満了した作家の作品を、ボランティアの人々が思い思いに入力して電子的なテキストを作り、ネットワークで公開するという活動が始まっています。青空文庫です。優れた文化遺産をネットワーク上に展開するこの活動は、新時代の文芸復興を促すものと期待しています。

Aozora logo

そうそう、似たような活動といえば、 Project Gutenbergを忘れてはいけません。こちらもどうぞ。

* とっても悪筆で、枠の中に小さな字で何事か書きこむことがたまらなく苦痛なLaTeX使いの貴方に朗報!!フリーのプログラマ 山口志義夫さんが 履歴書そのまんまを印字してくれるスタイル を作って下さった。就職活動で大量の履歴書を作成しなきゃならない貴方に必携!! ただし、"gzip"と"tar"がなんだかわからない人には使えない。

* 大変立派なオンライン法令集を作ってらっしゃる福山平成大学の 吉崎暢洋さん。貴方のブックマークにもぜひとも登録して下さい。

* ハッカーについて誠実に取り組んでいる岩手県立大学の 山根信二さん。彼の「ハッカーに関するリンク集」には、上記の私の論文でも使った文献がリンクされていてとっても便利。

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Appendix
タイトルページを短くするために、「付録」を別ページに移動しました。参考資料や、私の雑文、秀丸のマクロなどがあります。

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Counter 白田 秀彰 (Shirata Hideaki)
法政大学 社会学部 助教授
(Assistant Professor of Hosei Univ. Faculty of Social Sciences)
法政大学 多摩キャンパス 社会学部棟 917号室 (内線 2450)
e-mail: shirata1992@mercury.ne.jp