Ethics in Information Age at Musashino Art Univ.
NOTE

リーガル・フォーム・デザイン

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●講義の方針・目標

日本国では、「IT立国」「電子政府」といった目標が語られ、官公庁から地方自治体の役所まで、多くのコンピュータやネットワークが導入された。しかしながら、旧来の業務形態、書式、様式を改善することなく、そうした機器の導入が進んだため、コンピュータやネットワークの特性を十分に生かした業務改善になりえていない。

本講義では、「情報デザイン」の観点から、新しい書式・様式のデザインについて検討する。通常の文書デザインと異なる点は、(1) 法律や規則に従ってデザインする必要がある。(2) 官公庁や役所の業務の流れにそったデザインである必要がある。(3) コンピュータ、ネットワーク等のオンラインでの運用との整合性をとったデザインである必要がある。(4) 可能な限りバリア・フリーなデザインである必要があることである。 こうした官公庁独特の制約に基づいた上で、美しく使いやすい書式・様式を探求する試みは、おそらく前例のないもので、講師、受講生ともに刺激的な講義になるものと期待している。

●成績評価の方法

講義への参加の程度および、期末の成果物によって評価する。成果物としては、講義中に与えられた課題である法的文書(ex. 婚姻届)の改善提案プレゼンテーションを予定している。

●テキスト・参考書

とくに指定しない。講義中に適宜指示する。

●受講上の注意事項

前例の乏しい課題であるので、試行錯誤の連続となる可能性が高い。思考や発想の柔軟性が要求されるだろう。また、実際に官公庁における業務や書式・様式の実態に関する調査を含むので、課外での活動も幾分あることが予想される。

●授業計画

  • 現状把握
    指定された行政文書、書式・様式の収集
    それらの問題点の抽出
    デザイン理論との整合性

  • 関連する法律のチェック
    文書のデザインを規定している関連法規のチェック
    デザイン理論との矛盾・問題点の抽出

  • 業務調査・インタビュー
    文書のデザインの理由となっている業務実態について
    文書デザインの改善・変更の障害についての調査

  • デザイン
    法律・規則への適合
    業務実態への適合
    利用者の利便への適合
    審美的観点からの適合

  • プレゼンテーション
    デザインによる業務改善の説得技法

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