違法コピーは絶対にいかんぞ!!
著作権は大変です。著作権者(著作者本人とは限らないことに注意)の権利を守るため、許諾なく複製したり、改変したり、解析したりするのは御法度なのです。友人との間でソフトウェアをコピーしてあげるなんてもってのほか。そんな場面を見たら、すぐに著作権者に連絡して、摘発できるようにしてあげましょう。2台のコンピュータについて1本しかソフトを買わずに済ましてしまうなどトンでもない!!かならず1台に1本ソフトウェアを買わなければいけません。
こういうわかりやすい事例だけではありません。コンピュータの中では、ソフトウェアは複製されまくってます。インストールするとき、メモリにロードするとき、画面に表示するとき...。複製しちゃいけないのに、複製しないと使えない。困ったものです。ソフトウェアの一部に不満があるとき、自分が都合の良いように変更することも御法度です。もっと言えば、バイナリダンプさえも禁止されるという人もいます。神様のごとき、ソフトウェア著作権者様の御心のままに従わないと、著作権法が怒りの鉄槌を下すぞ!!と、いろんな人が言います。こわいですね。
もう、うんざり!
と思った貴方。そして貧乏だけど正義感の強い貴方。そして根性のある貴方。自由に改変できて、その成果をみんなと分け合える自由なソフトウェアがあるのです。貴方がソフトウェアに加えた工夫をみんなに分けてあげてください。みんなも貴方にたくさんの成果を分けてくれるでしょう。
ただし、少しだけ自分で苦労することが必要です。市販のソフトウェアのように、手取り足取りサポートしてくれません。でも、自分のしたいように、自分で工夫するソフトウェアは、結果的に貴方にぴったりのシステムとなります。貴方はもう他のシステムには興味が向かなくなるはずです。いつまでも他人の世話を当てにするような甘えた子供や、金の力でなんでも済ませてしまうような下品な大人にならないようにしましょう。
貴方は豊かなリンゴ園を歩いています。 「だれでもどうぞお召し上がりください」と札が立っています。 手を伸ばせばいくらでもリンゴは手に入るのです。 そうしてもなお、貴方は果物屋の店先からリンゴを盗みますか?
自由なソフトウェア
自由なソフトウェアのためには、ソースコードが公開されている方が望ましいのです。ソースコードさえあれば、「プログラムによって一体何がされているのか」が利用者にもわかるからです。また、利用者が主体的にプログラムに参加し、改良していくことができます。中で何をしているのかわからないプログラムに依存して仕事をするのは不気味なことです。
このことは、社会制度についても同じです。ブラックボックス化されていく社会のシステムの中で、何を目的としているのかわからない仕事をしている人も多いでしょう。確かに社会システムは複雑ですが、だからといって「頭のいい人」がすべてお膳立てしたブラックボックスで良いはずがありません。社会システムのソースコードを公開し、誰でもその気があれば、参加し、改良できるようにしなくてはなりません。民主主義は社会システムのソースコードを明らかにするところから始まるのです。
Open Source: the Future is Here
オープンソース・ソフトウェアに見られる開発の速度と品質は、私たちの知識や文化を改善し増大する、新しい知の在り方を示していると確信します。すばらしい論文を次々と翻訳してくださっている山形浩生さんの訳でEric S. Raymond, The Cathedral and the Bazaarを読んでください。物理的実体としての本にもなりました。オンラインで配布されている文章をそのまま本にして採算が取れるのか?取れれば私の仮説を支持する事例となります。
フリーソフトウェアあるいはシェアウェアの品質は、一般的に市販ソフトウェアの品質に劣ると考えている人、あるいはそう主張している人に読んでもらいたい記事があります。バグだらけで不要な機能満載の某巨大OSよりもLinuxやGNU toolsは使えそうでしょ?
マイクロソフト社のWindows95, 98やアップル社のMacOS 8よりも高機能で安定した「自由なOS」として次のようなものがあります。私自身はあまり詳しくないので、以下のOSについては、書店にでも行って解説本を買って読んでください。本を書いた人を経済的・精神的に支援することになりますし、ネットワーク上で資料やプログラムを探すよりもはるかに安くつきます。 Linux
誰の所有物でもない自由なOS、Linuxをサポートする民間企業もどんどん増えています。Linuxと付き合う中で、彼らもまた、オープン・ソース的な企業経営をしてほしいと願っています。利用者を「潜在的な泥棒」としてとりあつかうような企業には、熱心な支援者は付きません。熱心な利用者こそが本質的な企業の財産であることに気が付いてもらいたいものです。優れたソフトウェアを生み出す環境においては「開発社員」と「利用者」の間の区別は個別的責任の多寡にしかすぎません。
VACS社と
VJE for Linux/FreeBSDに関するプレスリリース
上記のFreeBSDやLinux上で動作する高機能なエディタやコンパイラや各種ツールを提供しているFree Software Foundation。彼らは自由なソフトウェアを維持するためにGNU Projectを開始しまた。GNUのツールはすべてソースコードが公開されていて、誰でも自由に使用、改良、応用することができます。貴方が服すべき義務は、GNU Productsを参考にして貴方がつくったソフトウェアをソースコード付きで公開すること、GNU Productsの自由な流通を阻害しないことです。詳しいことは、リンク先にあるドキュメントを読んでください。
奇麗な文書はワープロでないと作れないと思い込んでいませんか?書籍の版下(実際に本となる版面)と同じ品質の出力を貴方のパソコンで作成するためのシステムが「自由」なソフトウェアとして配布されているのです。それがTeX。貴方が思い付くこと、必要になることは何でもできます。複雑な数式も表現できます。いいことだらけです。私も全ての論文はTeXで出力しています。
このTeXは、使いこなしが複雑なので、最初は解説本を買う必要があります。理想的には全般的な解説本と使いこなしのテクニックを解説した本の両方があるとよいと思います。
TeXに関連して、PostScriptを解釈して画面に表示し、さらに印刷するためのツールも紹介しておきます。すばらしい出来栄えですよ。
ネットワークで大事なセキュリティ。そのためのツールもいろいろと提供されています。でももっぱら利用者である私たちに必要なのは、メールの暗号化ではないでしょうか。そのための最も信頼できる暗号化ツールがPretty Good Privacy (PGP)。「暗号を誰がコントロールするか」についていろいろと論争が起こっていますが、最終的には貴方がコントロールするのです。
皆さんも良くご存知と思われるNetscape社のCommunicator。Netscape社はこのCommunicatorのソースコードをGNU General Public License (GPL)と似た内容のNetscape Public License (NPL)を条件として公開しました。さすがに新しい市場を切り開いた先端企業は良く分かっている。この公開を「市場をマイクロソフトに奪われつつあるベンチャー企業の最後の悪あがき」程度にしか理解できない旧い思考を持った人には、その経営戦略的意義がぜんぜん分からないことでしょう。なぜ企業収益の心臓部とも言えるソースコードを公開することをNetscape社は選択したのか。そのへんについて考えてみてください。
Netscape社によるプレスリリース とその日本語による紹介、日本語による紹介(2)
「自由」ではないけど「無料」のソフトウェア
マイクロソフト社のMS-DOS互換のアカデミックフリーOSが提供されています。DOSの時代からのソフトウェア資産をたくさん持っていて、上記の自由なOSを使えないけど、お金が無くてMS-DOSを買うことができないひとにお勧めします。
コピーしても良いソフトウェア
自由なソフトウェアの重要性は知っていても、いろんな都合や、足りない技能・根性のためにWindowsを使っている人もたくさんいるでしょう。でも今やWindowsはたいていのパソコンにバンドルされていますから、いまどき違法コピーをするような根性のある利用者はほとんどいないでしょう。あとはアプリケーションですね。ネットワークには市販ソフトよりも性能の良いフリーウェアやシェアウェアが多数存在します。もう高い市販ソフトを買って、モトを取るために友達と違法コピーするなんてことはしてはいけません。
Vector
これらの他にも、いろいろと素敵なソフトウェアがあると思います。もし、掲載すべきものがあれば、教えてください。
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