Kathleen Battle, Grace, SRCR-1851. バトル姉さんです。これまた良いですよぉ。お勧めです。3曲目のモーツアルトの「全ての国々よ、主を称えよ」のコーラスが荘厳で良いです。何を聞いても「やっぱりモーツアルト」と思わせてしまうモーツアルトですが、これは静寂と信仰を感じさせます。オーディオマニアとしては、このコーラスが奇麗に分離して、コーラス隊が並んでいる姿が「見えれば」合格。あと、良いのはバッハの「良き羊飼いの見守るところ」です。領主様を褒め称える歌らしいのですが、調子がよいです。あと、この曲には意外と低いところまで低音が入っているのでオーディオ的快感があります。
Dussek, Wagenseil, Krumpholtz, Harp Concertos. (Roberta Alessandrini, Orchestra di Mantova, NAXOS 8.553622) 廉価版で結構優秀録音だという話のNAXOSレーベルのハープ曲集。NAXOSの方針は、有名でないけど優秀な演奏家の演奏をデジタルで「そのまんま」録音するということらしいです。これもそうです。自然な音場なんですけど、なんか「薄く」感じます。実際普通に録音するとこういう音になることはわかっているんですけど。有名どころのレーベルだとマルチマイクでいろいろと録音をいじっているらしいです。とくにグラモフォンなんかはオーケストラの録音なのに細かい楽器の音まで入っていて、楽器毎にマイクを立てて、いろいろといじっていることが如実にわかります。私はそれでも迫力さえあれば良いという立場です。 あ、曲について。Krumpholtzという人の曲が良いのですけど、この人、奥さんが不倫したことに世をはかなんで自殺しちゃったらしいです。なんともはや繊細な方ですけど、そういう繊細な彼の心を感じさせる名曲だとおもいます。でも、ちょっと通俗的。
J. S. Bach, Brandenburgische Konzerte, (Douglas Boyd, The Chamber Orchestra of Europe 445 578-2). さあ、バッハの名曲です。これ、あたりです。曲名も知らなかったバロックの曲が実はこのブランデンブルグ協奏曲の一部だったことを知りました。録音としても優秀だと思います。ただ、木管楽器の金具(正式名称知りません。あの楽器の穴を塞ぐ金具とそれをつないでいる金具等などです。だれか教えてください。)がカチャカチャ鳴る音が耳につきます。最初ディスクに問題があるんじゃないかと思って、しげしげと表面を眺めてしまいました。
J. S. Bach, Franch Suites, (Glenn Gould, SM2K 52 609). またバッハ。もともとチェンバロ曲のフランス組曲というやつです。あんまり「グールド」が有名なのでちょっと買ってみました。びっくりです。ここまで機械的に弾ける人はやっぱりすごいと思います。でも、私の好みじゃなかったです。もっと情感を入れた方が私は好きです。あと、グールドは弾きながら鼻歌を歌うことで有名だったそうですが、これもきっちり入ってます。最初聞いたとき、誰が歌ってんだ?って部屋の向こう側の道を見に行ってしまいました。
Vivaldi, La Cetra, Op.9, (Christopher Hogwood, Academy of Ancient Music, POCL-4172/3). さて、ヴィヴァルディの「竪琴」です。この曲は「五味 康祐」というオーディオマニアで有名だった作家さんが名曲だと書いていたので買ってみました。あたりです。さすがマニアが「良い」っていうのだから間違いありませんでした。なんてったって、イタリア的に明るく軽快。一曲目から快活です。そんでもって明るい曲とちょっと暗めの曲が交互に出てくるので楽しいです。録音も超優秀(だと思う)。ヴァイオリンの弦のザリンとした感じが良く出ています。これは、いろんな人に聞いてもらいたいなぁ。でも、あなたの趣味に合わなくても責任とれません。悪しからず。
F. Mendelssohn-Bartholdy, No.3 Schottishe, No.4 Italienische (B.P.O., James Levine, POCG-50008). これは良いぞぉ。買うのだぁ。メンデルスゾーンってどうも影が薄いとか、金持ちのボンボンだから駄目だとかいわれていますけど、お勧めです。最初、「イタリア」の第一楽章のあまりの勢いのよさに私は感動してしまいました。前のヴィヴァルディの「竪琴」につながる明るさ加減です。イタリアってとっても良いところなのではないかと思いました。で、その前の「スコットランド」ですけど、最初、暗くて「たいしたことないなぁ」と思っておりましたが、イギリスの歴史の本を読みながら聞いていたら、だんだん良くなりました。今では「イタリア」ともども好きな曲です。
Claude Debussy, Estampes, Les Arp`eges Compose's, Suite Bergamasque, etc... (Alexis Weissenberg, POCG-50077). ミニCD版でしか持ってなかったドビュッシーのピアノ曲集でしたので、買い直しましたけど、もしかするとミニCDの方が音が良かったりして。なんだか違和感があるんだよなぁ。理由もなく聞かなくなるCDの一つになってしまう可能性大。
Peter Tchaikovsky, Romeo and Juliet, The Nutcracker (B.P.O., Herbert von Karajan, 439 021-2). 中古屋になぜか「カラヤン・ゴールド」シリーズがたくさんあって、その中の一つがこれ。クリスマスが近づいてくるととりあえず「くるみ割り人形」ということらしいですけど、私としては「ロミオとジュリエット」がどんな曲なんだろうと思って買いました。ロミオとジュリエットはハズレ。なんだか暗くて陰惨な曲が延々と続くかと思うと、突然バンバン盛り上がってきて要領を得ないまま終わるという印象です。で、私は「くるみ割り人形」の方ばかり聞いているのですが、こちらは抜粋物ということもあり、超有名曲ばかりが続くのでなんとなく恥ずかしくなります。録音は良いと思います。いわゆるグラモフォン的録音ですけど。
F. Mendelssohn-Bartholdy, Piano Trios, No.1 in D minor, No.2 in C minor, (The Borodin Trio, Chandos 8404). これもまた、先の五味さんが「お勧め」にしていた曲で、ヴァイオリン、チェロ、ピアノのトリオがオーディオシステムの性能を暴き立てるという意味で、難曲としていました。で、この曲はあまり人気ないみたいで渋谷のタワーレコードで探してもこのChandosというレーベルのものしかありませんでした。音はNAXOS的といいますか、自然なんですけどあっさりしすぎてます。曲もまたあっさりしていて聞き込んでいくと味が出そうな感じです。でも、この録音では低音が不足しておりまして、遠くのトリオを聞いているような感じになります。これは同じ構成の坂本龍一の「1996」とは対極の録音方針ですねぇ。こういう小編成ものは「1996」的録音の方が良いのかも。
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